週末、久しぶりにAWS認定資格のページを開いたら様変わりしていた。「AI Practitioner」「Generative AI Developer」といった資格がずらりと並び、機械学習の専門資格だった「MLS」は2026年3月末で廃止済み。資格の世界は、思っていたより本格的に生成AIへ舵を切っている。
じゃあ自分は仕事で生成AIをどれくらい使えているだろうと振り返ったら、正直10%にも満たなかった。資格は派手にシフトしているのに、現場の実感とのギャップに戸惑った話を書く。
AWS資格の生成AIシフト、2026年は思ったより本格的
数字で見ると分かりやすい。
- AWS Certified AI Practitioner(Foundational・AIF-C01):AI・機械学習・生成AIの概念とユースケースを問う基礎資格として提供中
- AWS Certified Data Engineer - Associate(DEA-C01):2026年1月に試験ガイドが更新され、LLM統合やApache Icebergなどが出題範囲に追加
- AWS Certified Machine Learning - Specialty(MLS):2026年3月31日で廃止。後継は3資格に分散
- AWS Certified Generative AI Developer - Professional:2026年3月17日に新設・登録開始
一つの専門資格が、レベル別の3資格に置き換わった格好。AWSが生成AI領域をどれだけ本気で資格体系に組み込んでいるかが分かる。
「AWSはクラウドの資格のはず」なのに、なぜ生成AIだらけなのか
知恵袋でも「AWSはクラウドの資格だと思うのに、なぜ生成AIが入っているのか」という質問を見かけた。答えはシンプルで、SageMakerやBedrockといった生成AI・機械学習サービスは、もう何年も前からAWSの主力サービス群の一部。クラウドの範囲そのものが生成AIを飲み込んだというのが正しい理解だと思う。
現場の生成AI活用、正直まだ10%未満
ここからが本題。資格の世界がここまで生成AIへ振り切っているのを見て、自分の仕事を棚卸ししてみた。結果、日々の業務で生成AIを実際に使えている割合は10%にも満たない。
理由ははっきりしている。失敗のできない仕事ほど、人間のチェックの割合が高くなる。 本番環境に近い作業や、顧客に影響する判断ほど、生成AIの出力をそのまま使う勇気は持てない。下書き・たたき台としては便利でも、最終判断まで任せられる場面はまだ少ない。資格の世界が示す「生成AI前提」の未来と、現場の温度差はまだ大きい。まだまだこれからだと思う。
AI Practitionerは受けない。代わりにAWS SimuLearnを試した
正直に書くと、AI Practitionerを受験するつもりはない。SAA・DVA・DOP・SAPと7資格を持っている身としては、新資格の動向は「外から見て把握しておくもの」というスタンスでいる。
代わりに、AWSが無料で提供しているAWS SimuLearn(生成AIを使った学習ラボ)を試してみた。実際の画面にはこう書いてある。
現在、AIとの対話は英語のみとなっております。ビジネスシナリオ:島の安定化チームは、現在の安定化システムの信頼性と可用性を向上させたいと考えています。この AWS SimuLearn の課題では、実際のシナリオを確認し、架空の顧客が AWS 上でソリューションを設計するのを支援します。設計が完了したら、実際の AWS マネジメントコンソール環境内のガイド付きラボで提案されたソリューションを構築します。仕組み:AWS SimuLearn は、生成 AI を活用して、AI 生成の顧客とのリアルな会話を通じて、コミュニケーションや問題解決などのソフトスキルを開発するのに役立ちます。AI クイズエージェントが会話の応答を評価し、行き詰まった時には AI ヘルパーエージェントの Dr. Newton が利用可能です。
やってみると、架空の顧客との対話でヒアリングしながら設計を詰めていき、最後は実際のAWSマネジメントコンソールで手を動かして構築する流れ。単純な暗記型の資格勉強より、「このサービスは実際どこで使うのか」のイメージがつきやすい。ストーリー仕立てなので飽きにくいのも良かった。資格の点数を取るための勉強と、実務感覚を養う勉強は、そもそも別物なんだと実感した回だった。
もし資格の勉強からもう一段先に進みたいなら、Udemyの生成AI関連講座でハンズオン中心の教材を選ぶのも一つの手。SimuLearnと違って自分のペースで繰り返し見返せるのが強み。
資格は入口の証明でしかない
AWS資格の生成AIシフトは事実として本格的で、これからクラウドを学ぶ人は生成AIの知識を避けて通れない時代になった。ただし資格はあくまで「知識の入口を持っている」証明であって、実務で使いこなせるかどうかは別の話。
自分の場合、現場での生成AI活用はまだ10%未満というのが正直な現在地。資格を積み増すより、SimuLearnのような無料のハンズオン教材で手を動かす時間を増やす方が、今の自分には合っていると感じている。資格の取得順や勉強法はAWS資格ロードマップ2026にまとめているので、あわせて読んでもらえたら。
生成AIの資格が増えたからといって、いきなり実務に使える割合が増えるわけではない。ただ、環境はほっておいてもAI中心に変わっていくだろうと思う。