2027年1月から「こどもNISA」が始まる。うちには中学生と小学生がいて、親のNISAは楽天証券で積み立てている。SBI証券とマネックス証券にも普通の証券口座がある。どこで子どもの口座を開くか決めるために、3社のこどもNISAを公式情報で調べた。
この記事は2026年10月3日時点で公開されている情報をまとめたもの。投資の助言ではなく、ひとりの親が証券会社を選んだ過程の記録として読んでほしい。
この記事でわかること
- クレカ積立は、楽天・SBI・マネックスのどこを選んでも使えない(2社は公式に明記、マネックスは案内なし)
- ポイントで差をつけられる余地は小さい。3社の差が出るのは、毎月の入金の手間
- 手間だけならマネックスが一番楽。それでも自分は楽天に決めた。理由は、子どもが家を出る前に、親と同じ画面で証券口座の見方を教えたかったから
- 兄弟で年齢が違うと、こどもNISAで使える枠は倍以上違う
記事概要図
子どもの口座をどこで開くかは、ある程度選べる
親のNISAは楽天証券なので、こどもNISAも楽天で開けばいいと思っていたのに、調べるとSBI証券とマネックス証券にも普通の証券口座を持っていた。こどもNISAを開く条件は「親がその証券会社に口座を持っていること」で、これは親のNISA口座ではなく**普通の証券口座(総合口座)**の話。つまり自分の場合、3社とも選べる状態だった。
選べると迷う。しかも子どもは2人いる。調べ始めると、比較記事の多くは親のNISA向けのおすすめで、子どもの口座でクレカ積立が使えるのかという肝心の点がなかなか見つからなかった。そこで各社の公式ページを1つずつ確認した。
こどもNISAの基本を5分で
まず制度の骨格。旧ジュニアNISAが「18歳まで引き出せない」せいで使われずに終わった反省から、かなり使いやすくなっている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始 | 2027年1月(口座の申し込みは2026年10月から) |
| 対象 | 口座を開く年の1月1日時点で18歳未満の子 |
| 枠 | 年60万円・生涯600万円。非課税の期間は無期限 |
| 買い方 | 積立だけ。対象は大人のNISAのつみたて投資枠と同じ投資信託(個別株は対象外) |
| 引き出し | 12歳以降(小6の1月から)は、本人の教育費・生活費で子どもの同意があれば可。高3の1月からは自由に引き出せる |
| 18歳以降 | 大人のNISAのつみたて投資枠へ自動で移行。残高は大人の生涯枠1,800万円に引き継がれる |
| 管理する人 | 制度上は2親等以内の親族。ただし楽天証券は登録した親権者だけ |
出典:三菱UFJ銀行 こどもNISAのチラシ(2026年8月1日時点)/楽天証券 こどもNISAの取引ルール/SBI証券 NISA道場(2026年9月24日)
お金の出どころについても1つ。親が年60万円を入れるのは子どもへの贈与にあたるけれど、贈与税の基礎控除(受け取る子ども1人あたり年110万円)の範囲に収まる。ただし祖父母からのお年玉や学費の援助など、同じ年のほかの贈与と合算される点は覚えておきたい(SBI証券 NISA道場/楽天証券 未成年口座と贈与税)。
兄弟で年齢が違うと、使える枠がこんなに違う
調べていて一番驚いたのがここ。こどもNISAは「1月1日時点で18歳未満」の年しか積み立てられないので、始める時の年齢で入れられる金額の上限が決まる。2027年1月時点で中3の子と小5の子を例に、毎年満額の60万円を入れた場合を計算した。
| 中3の場合 | 小5の場合 | |
|---|---|---|
| 積み立てられる年 | 2027〜2029年の3年 | 2027〜2033年の7年 |
| 入れられる上限 | 約180万円 | 約420万円 |
| 条件つきで引き出せる時期 | 最初から | 2028年1月(小6の1月)から |
| 自由に引き出せる時期 | 2030年1月(高3の1月)から | 2034年1月(高3の1月)から |
※1〜3月生まれ(早生まれ)は、どちらも1年長くなる。上の制度表のルールから自分で計算した値。
中学生がいる家は、生涯枠600万円にはどうやっても届かない。高校や大学の費用の足しにする、期間の短い枠だと割り切るのが現実的だと思う。逆に下の子は時間があるので、同じ制度でも兄弟で役割がまったく違ってくる。
楽天・SBI・マネックス、こどもNISAの3社比較
本題。クレカ積立・ポイント・入金の3つを、公式ページと報道で確認した。
| 楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | |
|---|---|---|---|
| クレカ積立 | 使えない(楽天カードの説明で「未成年口座」は対象外)出典 | 使えない(三井住友カードのこどもNISAページのFAQで「できません」)出典 | 案内なし(入金方法として案内されているのは自動入金だけ)出典 |
| ポイント | 楽天ポイントで積み立てられ、残高に応じたポイントも付くと記載(率は未記載)出典 | こどもNISAでポイントが使えるかは未発表(報道)出典 | 投信保有ポイントは「つみたて投資枠」と未成年口座が対象外=付かない見込み 出典 |
| 毎月の入金 | 親の銀行口座から入金できる(リアルタイム入金・毎回手動)出典 | 子ども名義の銀行口座から入金する必要あり(報道)出典 | 親の銀行口座から毎月自動で入金できる 出典 |
| 申し込み | 親の口座にログインして申し込む 出典 | 親の口座から、子どもの証券口座と同時に申し込める 出典 | 子どもの証券口座との同時開設は2026年12月以降の予定 出典 |
クレカ積立は全滅だった
親のNISAでクレカ積立のポイントを貯めている人は、子どもの分も親のカードで、と考えると思う。結果は全滅で、楽天とSBIはカード会社の公式ページに使えないと書かれている。マネックスは明記こそないものの、案内されている入金手段が銀行口座からの自動入金だけだった。
ポイントの差は小さい
クレカ積立が使えない以上、残るのは投資信託の残高に応じたポイントくらい。マネックスはこどもNISAが対象外になる見込みで、SBIはまだ発表がない。楽天は付くと書かれているが率は未記載で、仮に年0.1%付いたとしても、2人分の年120万円に対して年1,200円程度(仮定の試算)。証券会社を選び分ける理由にするには小さい額だった。
差が出るのは毎月の入金の手間
こどもNISAは年60万円を積立だけで埋める制度なので、満額なら毎月5万円ずつになる。これを2人分、何年も続ける。ここで3社の差がはっきり出た。
- マネックス:親の銀行口座から毎月自動で入金。一度設定すれば放っておける
- 楽天:親の銀行口座から入金できるが、毎月2人分の操作が要る
- SBI:子ども名義の銀行口座が必要(報道ベース。申し込む前に公式で確認したい)
手間だけで選ぶなら、マネックスが一番楽だと思う。
それでも楽天に決めた理由
それでも自分は楽天に決めた。決め手は手間ではなく、子どもに証券口座の見方を教えやすいことだった。
こどもNISAで積み立てたお金は、18歳を過ぎれば本人の大人のNISAに移る。いずれ子どもは家を出て、自分で口座を見ることになる。その前に「これが評価額、これが積み立てた元本、ここで設定を変える」と、隣に座って同じ画面で教えたい。親のNISAと同じ楽天なら、自分が毎日見ているアプリの画面をそのまま見せられる。マネックスの自動入金は魅力的でも、親の自分がふだん使っていない画面では説明がぎこちなくなる。
もう1つ、子どもに口座を見せておくのは、名義預金のリスクへの備えにもなる。子どもが存在を知らないまま親が管理し続けると、税務上「実質は親のお金」とみなされるおそれがあると言われている(楽天証券 未成年口座と贈与税)。教えるつもりで口座を一緒に見ることは、その点でも意味がある。
毎月の入金の手間は、銀行の自動入金の仕組みを設定して減らすつもり。ただし楽天証券の子ども用の口座は、親の名義から入金できるのがリアルタイム入金に限られ、それ以外は原則として子ども本人の名義からしか受け付けない(楽天証券 未成年口座の入金方法)。どの組み合わせなら自動にできるかは、申し込みの時に確かめて追記する。積み立てる投資信託は1本に決めて、途中で変えない予定。
こどもNISAで気をつけたい3つのこと
- 親のNISAの枠を先に使う考え方もある:親名義なら、教育費が思ったよりかからなかった時にほかの使い道へ回しやすい、という指摘がある(マネックス証券 マネクリ)。こどもNISAは「子どものお金」として本人に渡る前提の枠だと理解しておきたい
- 子どものNISA口座は1人1社:兄弟で別々の証券会社にもできるけれど、管理が分かれて面倒になるので、自分は2人とも同じ会社にする
- キャンペーンはまだ少ない:今わかっているのは、マネックスのdポイント紹介プログラムにこどもNISAの開設が加わる予定(Impress Watch)くらい。受付は12月まで続くので、年末に向けて各社の発表を見てから申し込むのでも遅くはない
調べて分かった3つの結論
- こどもNISAのクレカ積立は、楽天・SBI・マネックスのどこでも使えない。ポイントで差をつけるのは難しい
- 3社の差は毎月の入金の手間。自動ならマネックス、親の口座から手動なら楽天、子ども名義の口座が要るのがSBI
- 最後は「家でどう使うか」で決めていい。自分は、子どもに証券口座の見方を教えやすい楽天にした
お金の大きな判断で迷った時の整理の仕方は、住宅ローン、今買うか待つか問題でも書いた。数字を並べてから最後は家族の事情で決める、という流れは同じだった。
申し込んだら、実際の画面とつまずいた点をこの記事に追記する予定。